Ⅴ-7 「画像検査2:超音波(エコー)」の評価および対策
超音波(エコー)検査は、非常に高い周波数の音波を内臓などに向かって出し、返ってくる反射波(エコー)を画像として写し出すものです。臓器の形状だけでなく、リアルタイムで臓器の動きを観察することができます。
超音波の検査には、肝臓・胆のう・腎臓などの腹部エコー・心臓の検査としての心エコー・脳内エコー・子宮内超音波・経膣超音波などがよく知られています。これらの検査により、肝腫瘍・肝血管腫・胆石・胆のうがん・腎結石・腎腫瘍・心肥大・心臓の奇形・心筋梗塞・脳内出血・脳硬塞・胎児異常などの予防や早期発見、経過観察などに寄与しています。この検査は、X線検査のような放射線による問題が全くなく、さらに苦痛もないため、安心して繰り返し行うことができます。
Ⅴ-8 「画像検査3:内視鏡」の評価および対策
内視鏡検査は、臓器や組織を直接的に、拡大して、しかも肉眼で見ることができます。したがって、腫瘍やポリープなどの早期発見が可能となり、異常と境界域、外科的処置の必要性などの有効な情報となります。
内視鏡検査には、胃カメラとしてよく知られている上部消化管内視鏡検査をはじめ、下部消化管内視鏡検査・腹腔鏡検査・気管支鏡検査・膀胱鏡検査などがあります。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、食道や胃・十二指腸などの粘膜の状態を、口から挿入したテレビカメラで観察する検査です。疑わしい組織が発見された場合には、その組織を採取し、生検(組織細胞診)によって診断することができます。静脈瘤や炎症・潰瘍などが発見された場合には、最終的な治療方針を立てることができます。また、潰瘍などによる吐血の場合には、内視鏡検査中に止血の処置を行うこともできます。
下部消化管内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、直腸・S 状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸などの順に、大腸の粘膜の状態を観察するものです。胃カメラと同様に、生検(組織細胞診)用の組織の採取やポリープの切除などもできます。この検査は、大腸がん・大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎・クローン病などの早期発見や治療に寄与しています。
検査中に発見された大腸ポリープは、その場で切除することになります。採取された組織の生検(組織細胞診)の結果、大腸がんと診断された場合には、発生した部位・大きさ・広がりなどを考慮して治療方針が決められます。