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「総合的健康美学論 その理論と展開 (第1巻)」 総論編

Ⅲ-6 肥満の体質改善の要点

 肥満の体質改善の要点や実施要領については、各論において詳細に述べます。ここでは、運動と栄養・食生活の基本について述べます。


Ⅲ-6-1 運動療法の3原則

 運動を通しての健康づくりは、安全性・継続性・効果性の3原則が基本となることについては、すでに3by3理論の項で述べました。総合的健康美学論では、これらの3原則を実践に移すためのプログラムとして、次の4つの運動を基本的なものとして、提案しています。

(1) 健美ストレッチング
(2) 健美体操
(3) ステップアップ・ウォーキング
(4) アイソメトリック・トレーニング


Ⅲ-6-1-1 健美ストレッチング

 運動不足・運動嫌い・運動苦手などの人が、運動を生活のリズムのなかに取り入れるのは非常に難しく、ましてや、習慣的な運動へと導入していくためには、気楽に、楽しく、準備すべきものがほとんどありません。そのような人が運動を生活のなかに取り入れられるようにするのが、健美ストレッチングの、第1の目的です。さらにその場で効果や心地良さが体験できる点で、ストレッチングに勝るものはありません。

 第2の目的は、全身の調整のためのものです。例えば起床後、比較的硬くなっている筋肉や関節を、ストレッチングによって調整し、活動に入る前の準備態勢を整えるためのメニューとして利用できます。また、就寝前や入浴後に、疲労した筋肉や関節の疲労を軽減し、安定した睡眠への導入態勢を整えることができます。

 第3の目的は、健美体操やステップアップ・ウォーキングと組み合わせて行うためのものです。健美体操やウォーキングを始める前のウォーミングアップの運動として健美ストレッチングを行います。また、健美体操やウォーキング終了後のクーリングダウンの運動として行います。事故防止のための柔軟性や基礎体力の養成に役立ちます。

 第4の目的は、旅先や出張先での運動不足解消には、限られた時間や場所でも、かなりの効果をあげることができます。

 第5の目的は、腰痛・肩こり・頭痛・関節痛などの予防と痛みの軽減に有効です。

 健美ストレッチングの具体的な内容・実践指導などについては、各論(運動編)で詳細に述べます。
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