Ⅲ-6-4 体質改善と「宿題・記録」
体質改善の最も重要なポイントは、いままでの否定的な生活習慣との闘いです。「総合的健美計画書」に基づいた実践の意欲を継続するためには、宿題が重要な意味を持ちます。
また、セッションとセッションの間は、宿題という絆によって指導者(援助者)とクライエントの信頼関係が維持されていることも含まれます。
週に数回の施術や指導・助言を継続しても、数十年かけて根づいた食習慣・運動嫌い・覚醒から睡眠に至る生活リズムなどの歪みは、簡単には修正されるものではありません。むしろ、次のセッションまでの間を、現実の生々しい生活の場で、どのように過ごすかが最大の問題です。
したがって、施術・指導などのセッションは、それぞれの段階のスタートラインにすぎません。このような意味で、計画に基づく実践や体験の経過を正しく査定し、評価していくことが、更なる動機づけやモラルの向上につながっていきます。その核心部分を占めるのが、適正な「宿題」と「記録」です。状況によっては「記録」自体が有効な宿題となる場合も少なくありません。
クライエントの状況や段階に合わせた宿題には、それぞれのゴールがあります。前回の宿題は、必ず今回のセッションの初めに取り上げます。セッション終了後に、前回の宿題を継続するか、次のステップの宿題に進むかどうかを、クライエントとともに検討し、決定します。足下のいまやるべきことを、淡々と進めるなかで、しだいに加速度がついてきます。こうした実践の流れを、体験を通して感じることが、着実な歩みを維持するためのエネルギー源となります。記録の主要なものは次の通りです。
(1) 食事記録シート
(2) 体重・体脂肪率の記録シート
(3) 運動記録シート
(4) 食事・運動・体重・体脂肪記録シート(総合的記録)
なお、各論においても、それぞれの状況や場面に応じた記録シートが準備されています。それらについての詳細説明は、別途各論において行います。