Ⅳ-5-2-8 ミネラルとスカベンジャー
ミネラルとは、カルシウム・鉄・銅・亜鉛・硫黄・マンガン・リン・コバルト・セレン(セレニウム)などの鉱物で、スカベンジャーとしての酵素類の働きを支援する重要な栄養素です。ミネラルは体内で生理的機能を調整する作用があり、微量でも高い充分な働きをする無機質栄養素として「微量ミネラル」、「必須微量栄養素」などと呼ばれています。なかでもセレン(セレニウム)は、スカベンジャーの補酵素として、重要な働きをしていることが明らかになり、注目されています。
ミネラルが不足すると体調がくずれ、過剰摂取は毒性作用の影響が問題となります。日常の食生活のなかで新鮮な野菜・肉・魚などをバランスよく摂取していればとくに問題はありません。しかし、インスタント食品やレトルト食品などに偏った食生活、無理なダイエットなどは、摂取バランスの欠如や不足の原因となります。
Ⅳ-5-3 抗酸化システムへのアプローチ
雨ざらしになった鉄が錆びるのは、鉄が酸化によって鉄本来の生命を絶たれようとしていることといえます。私たちの身体も酸化すれば、錆びを巻いていることになります。この意味で酸化は、老化・障害・疾病・死へとつながる危険な道であることを理解することが重要です。最近の研究から、活性酸素が人体の酸化に主要な役割を果たしていることが明らかになってきました。がん・脳卒中・糖尿病・虚血性心疾患・胃潰瘍・肝炎・白内障・痛風・肌荒れなど、細菌やウイルスなどの感染症を除くほとんどの障害に、活性酸素が関係していることは、すでに述べました。
この項では酸化を防ぐための、システムづくりの基本を学びます。抗酸化システムとは、運動、栄養、心理のバランスをとるための「3×3理論」を、根底からじっくりと支える生活システムの基本です。抗酸化システムの構築には、次の3つの要素があります。
(1) 抗酸化物質の効果的な摂取のための食生活の改善
(2) 活性酸素の発生の少ない運動の見直し
(3) 活性酸素の発生要因を排除・抑制するための生活習慣の改善