Ⅴ-3-3 「血尿(尿潜血反応)」の評価および対策
尿潜血反応は、腎臓・尿管・膀胱・尿道など、腎臓・泌尿器系の炎症・結石・腫瘍などを発見するための検査です。検査前には、ビタミンC製剤やテトラサイクリン(抗生物質)などは検査前には飲まないようにします。膀胱炎や結石などのように、痛み・残尿感・排尿障害などの自覚症状がはっきりと出る場合もあります。腎疾患や腎炎などは、ほとんどの場合に自覚症状はあまりみられません。したがって、自覚症状はなくても、尿の色が濃い場合や、原因不明の発熱などがある場合には、尿中の血液を検査し、腎臓や泌尿器系の状況を把握することが大切です。
血尿検査の評価の目安は、「-」の場合は正常、「+」の場合には顕微鏡検査の対象となります。顕微鏡検査で赤血球の数が「2~3個/1視野」の場合は正常、「5個以上/1視野」の場合は異常となります。とくに膀胱炎については、再発を繰り返す例が少なくないため、完治後も次の対策をとることが重要です。
(1) 水分を充分にとること
(2) 身体を冷やさないように留意すること
(3) 排尿を我慢しないこと
(4) 定期的に血液検査を行い経過を観察すること
一般にこの検査で陽性(+)の評価の場合には、膀胱炎・膀胱腫瘍・尿管結石・腎結石・腎腫瘍・急性腎炎・腎結核などが疑われます。