Ⅳ-5-2-7-3 カロテノイド(カロテン)
ニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、老化やがんを予防するビタミンとして知られています。しかし最近では、活性酸素の中の一重項酸素に対する抗酸化能力が注目されています。カロテノイドと呼ばれる色素には、高い抗酸化能力があります。βカロテンは、その代表的な存在で、ビタミンAが体内で不足すると、ビタミンAに変わる「ビタミンA前駆体」でもあります。
カロテンにはαとβの2種類がありますが、αカロテンのほうが抗酸化力が優れています。しかし植物性のビタミンAでもあるβカロテンは過剰摂取の影響がほとんどないため、安心して摂取することができます。
Ⅳ-5-2-7-4 ビタミンB群
ビタミンB1、B6、ビタミンKなどにはハイドロキシルラジカルを消去する抗酸化力があり、抗がん作用も明らかになっています。ビタミンB2は、一重項酸素に対するスカベンジャーです。ビタミンB2は、脂肪酸を正常に代謝させたり、老化物質といわれる過酸化脂質を分解する作用もあります。ビタミンB2は、リボフラビンとも呼ばれ、グルタチオンぺルオキシターゼの補助酵素としての作用もあります。ビタミンB3(ナイアシン)の成分として知られるニコチン酸には、ビタミンCラジカルに電子を与えてビタミンCラジカルを還元する作用があります。活性酸素がDNAを傷つけるのに対して、葉酸はDNAや核酸の生成には重要なビタミンです。
ビタミンB群は、水溶性で過剰摂取すると尿とともに排泄されます。ビタミンB1、B6、葉酸(ビタミンBの複合体でビタミンMとも呼ばれる)、炭水化物や脂肪の代謝に必要な補酵素成分として知られるパントテン酸(ビタミンBの複合体)などは、熱に弱いため調理法に留意する必要があります。このようにビタミンB群は幅広い効用を持っているので、単独で摂取するより、まとめて摂取するほうが効果的とされています。