Ⅳ-2 活性酸素の種類
活性酸素の種類には、次の4種類があります。過酸化水素とヒドロキシルラジカルは、スーパーオキシドが順番に変化して水になる過程に現われます。
(1) スーパーオキシドアニオンラジカル(通称:スーパーオキシド)
(2) 過酸化水素
(3) ヒドロキシルラジカル(ハイドロキシルラジカル)
(4) 一重項酸素
スーパーオキシドは、体内のミトコンドリアで糖質や脂質と酸素から、エネルギーを変換する過程で大量に生成されるものです。したがって私たちが生きていく上でスーパーオキシドの発生は避けられません。非常に凶暴な活性酸素といわれていますが、一方、体内に侵入した細菌を攻撃するための免疫細胞(白血球など)を支援するシステムとしても使われます。
過酸化水素は、スーパーオキシドが水の分子と反応して生成されるもので、非常に不安定な物質です。しかも毒性はきわめて強いとされています。消毒や殺菌力で知られるオキシドールは、この強力な毒性を利用したものとして、よく知られています。
ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素が細胞内の鉄・銅などの金属イオンに反応したときに生成されます。また、水の分子に放射線が反応すると、水素ラジカルとヒドロキシルラジカルが発生します。活性酸素のなかでも酸化力は最も強いといわれています。さらに、細胞膜を構成している脂質とは比較的容易に反応して、脂質を毒性の高い過酸化脂質に変換して細胞死へと導きます。
一重項酸素は、不対電子を持っていないため、いわゆるフリーラジカルではありません。強力な酸化力を持っている活性酸素ですが、ヒドロキシルラジカルに比べて、おだやかに消滅していくのが特徴といわれています。