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Ⅴ 健康診断(Medical Check)の必要性と検査結果の評価および対策
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健康美を阻害している主要な要因となっている生活習慣病や成人病は、自覚症状のないままに進行し、発見や対策が遅れてしまうことが少なくありません。健康診断(Medical Check)は、五感では自覚できない体内情報を確認するための機会として、重要な役割を果たしています。
健康診断の目的は、予防や早期発見だけではなく、身体の機能や体調の実情を客観的・多角的.総合的にとらえるためのものでもあります。総合的健康美学論の理論的、技術的なオペレーションにあたっては、定期的な健康診断から得られた客観的情報によって、現状や経過を、正しく評価することが不可欠となります。健康診断の主なものは、次の通りです。
(1) | 身体検査と肥満度 |
(2) | 血液検査 |
(3) | 尿・便検査 |
(4) | 骨密度(カルシウム量):骨量検査 |
(5) | 血圧検査 |
(6) | 画像検査1 X線 |
(7) | 画像検査2 超音波(エコー) |
(8) | 画像検査3 内視鏡 |
(9) | 画像検査4 CT・MRI・MRA/td> |
(10) | 心電図 |
(11) | 「コルポスコープ診(膣拡大鏡検査)」の評価および対策 |
(12) | 主な検査項目とその目的(まとめ) |
以上の他にも健康診断の項目には、それぞれの医療機関において、数多くの種類やメニュー、必要に応じて精密検査などが準備されています。検査結果の評価や判定は、次の5段階が一般的です。
(1) | 「基準範囲」(いわゆる正常域内) |
(2) | 「要注意」(正常域の範囲内であるが境界域に迫る領域) |
(3) | 「要観察」(いわゆる境界域) |
(4) | 「要治療」 |
(5) | 「要精密検査」 |
一般に「正常域(基準範囲)」といわれるものは、基準値の±5%を目安としています。「要注意」は、現在の生活習慣を総合的に見直すための、身体からのメッセージとして受け入れることが重要です。基準値を大きく超えた場合や下回るなどの場合には、異常値と判定され、総合的な診断や精密検査等が必要となります。一般的に、生活習慣病や成人病の多くは、異常値の域に達しない限り、食生活・運動・ストレス・仕事と休養などの習慣やバランスを見直すことによって、かなりの改善をはかることができます。
健康診断および結果の評価や対策、指導や治療は、主治医(Home Doctor)によって定期的に実施されることが理想的です。健康美を探究する総合的健康美学論では、主治医の診断や指導内容の理解を助けるため、健康診断や各種検査の評価や対策に関する基本を学びます。健康を医学的識見によって正しく管理することも、健康美を構成する重要な要件といえます。
以下に生活習慣病や成人病などに関する、代表的な検査項目についての評価や対策について述べます。