Ⅳ-5-2-7-5 尿酸
本来尿酸は、細胞の新陳代謝のときに生成される老廃物です。通常は肝臓を経て、尿や便とともに排泄されます。尿酸は血液中に溶けて運ばれますが、尿酸の生成が増加したり、排泄が順調に行われないために血液中の尿酸値が上昇すると、尿酸は結晶となって関節などに蓄積されます。白血球が、この尿酸の結晶を異物とみなして攻撃する際に、多量の活性酸素を発生させます。このとき起こる激しい痛みが痛風と呼ばれる高尿酸血症です。
尿酸は最近まで、痛風を巻き起こす困った老廃物という印象の強い物質でした。今日では、活性酸素に関する研究が進み、一重項酸素やハイドロキシルラジカルに対するスカベンジャーであることが明らかになりました。
尿酸は、一重項酸素やハイドロキシルラジカルに対して電子を与えてその活性を消去します。その結果、尿酸ラジカルに変化しますが、ビタミンCから電子をもらい、再びスカベンジャーに復帰することができます。すなわち尿酸はビタミンCと連係して活性酸素を撃退する有力なスカベンジャーです。
Ⅳ-5-2-7-6 セサミノール(セサミン)
ゴマの主成分は、コレステロールを減少させる働きのあるオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸とたんぱく質およびカルシウムなどです。ゴマはビタミンEを豊富に含んでいるだけでなく、セサミノールと呼ばれる抗酸化物質も含んでいます。
セサミノールは肝臓での活性酸素の除去作用に有効で、アルコールの解毒作用にも効果があるとされています。また、ビタミンEを同時に摂取することにより血中コレステロールを下げ、動脈硬化を予防できるという報告もあります。したがって、シュンギクやホウレン草のβカロテンとビタミンEに、ゴマのセサミノール(セサミン)を加えたゴマ和えは強力な抗酸化料理といえるでしょう。