今回は、前回に引き続き、理想的なコミュニケーションを手に入れるためのウォーミングアップ(第2弾)として、理想のモデルを決めるために役に立つ「自分のキャラクタータイプを知る」ということについてお伝えしたいと思います。
| | 自分のキャラクタータイプ(性格)を知る・・・「エゴグラム」 |
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皆さんは、「エゴグラム」をご存知ですか?「エゴグラム」とは、心理療法の一つである交流分析に基づいてアメリカの心理学者J.M.デュセイが開発した自己分析法で、今では世界中で広範囲な分野に用いられて高い評価を得ています。
調べ方は簡単です。エゴグラムチェックリストにある質問に対して、自分に当てはまると思ったら○を、当てはまらなかったら×を、どちらでもないと思ったら△をつけていきます。全部の質問に答えたら点数を計算し、それを折れ線グラフに描きます。人によって様々な形のグラフができあがりますが、これは個人の個性を表すもので、どの形が優れているとか逆に悪いというわけではありません。また、この結果は変化するので、何ヶ月か後にもう一度やってみると、自分の行動や性格がどれくらい変わったかを調べることもできます。
| | 5つの自我状態 |
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エゴグラムチェックリストの元になっている交流分析という心理療法では、人は誰でも心の中に5つの自我状態を持っていると考えます。自我状態とは、人が表出しているすべての刺激情報、人格の構成要素のことです。人間の思考、感情とそれに関する様々な行動を自我状態という概念でとらえ、いろいろな刺激に対して、人の表情、声の調子、態度などにどのような変化がおきてくるかを観察することで、人の行動をより深く理解しようとしたのです。
まず1つ目の「CP」は、批判的な親。2つ目の「NP」は、保護的な親。3つ目の「A」は論理的な大人。4つ目の「FC」は、自由な子供。そして最後の「AC」は、順応する子供です。この5つの強弱とバランスを、グラフにしたものが「エゴグラム」です。つまり、このバランスを知ることで、性格や行動の特徴がわかるということです。
下記のURLから会員登録すれば、交流分析の第一人者である杉田峰康の動画解説で、エゴグラムのつけ方、見方、使い方を学べます。
http://www.iryo.co.jp/ta-net/
人間は、一人ひとり顔が違うように、それぞれ個別の性格を持っています。エゴグラムによって自分の性格のパターンや人間関係の癖に気づき、それを自分でコントロールできるようになれば、心の安定が保ちやすくなります。さらに、自分だけでなく、相手のキャラクタータイプがわかれば、コミュニケーションもとりやすくなります。ひいては、エステティシャンやセラピストとしてのカウンセリングの技術も向上させることができると思います。
| | 「エゴグラム」のタイプ |
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エゴグラムのパターンの中で、日本人としての人間関係において理想に近いタイプは、NP優位型(への字型)と言われています。
NPが高い方は、世話焼きタイプです。他者を受容し、強要することを好まず、思いやりを持って交流します。親切で面倒見が良くて、話し方も穏やかなので、このような方と一緒にいると、少し気持ちが楽になります。ただし、面倒見が行き過ぎるとお節介になることもあります。エステティシャンやセラピストとして、常にお客様と対応する仕事に従事している方々にとっても、NP優位型は理想的なエゴグラムと言えると思います。
まずは「エゴグラム」で、自分の自我状態を把握することから始めてみませんか。もし、あなたの現在のエゴグラムのタイプが、自分が望んでいるタイプではなかったとしたら、それをあなたが望むタイプに変えることもできます。
望ましいタイプにするには、どこをどのように変えるかを考えます。変える時のポイントは、低い点数の自我状態を上げることです。高い自我状態を直接低くすることはできません。低い自我状態を高くすることができた時、相対的に高い自我状態が低くなります。交流分析では、このような行動変容によって、自分の性格や行動は自分で変えていけると考えます。
自分の行動を変えていく具体的な方法については、「エステティック・コーチング」(チーム医療発行)の書籍に詳しく説明されていますので、ご覧ください。
また、下記のURLから購入もできますので、興味をお持ちの方はご注文下さい。
http://www.iscohb.or.jp/anchor/20080630-001.php (紹介)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4885090857/ (購入)
| | 「マイ・コミュニケーション・ゴール」に近づくために |
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さて、エステティックの目標の一つは、健康的にやせる「健康美」です。エステティック・コーチングでは、それを「マイ・コミュニケーション・ゴール」と呼んでいます。自分のキャラクタータイプを知ることで、「マイ・コミュニケーション・ゴール」をより具体化していくことができます。
例えば、自分の個性に合った理想の人をモデルとして、その人のどんなところが魅力的なのか、どのようなライフスタイルを持っているのかなどを言語化し、それを模倣していきます。そうすることで、「マイ・コミュニケーション・ゴール」は、より明確になり、実現する可能性が高まってきます。
自分が決めた「マイ・コミュニケーション・ゴール」を達成する方法はいろいろありますが、その一つは数値化を利用する方法です。その理想の人のイメージを100点とすると、今の自分は何点の状態なのかを考えてみます。そして、100点に近づくために何ができるかを考え、できることから少しずつ実行します。
このような方法をお客様と一緒に考えていくことは、お互いの信頼感を高め、効果的な目標達成を容易にしてくれることと思います。
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