4月11日と12日の2日間、エステティシャンやセラピストのための「コーチング講座」の第1回目が開催されました。参加者の内訳は、エステティシャン・セラピスト11名と、それ以外の職種の方が2名で、合わせて13名の皆さんでした。
| | 第1回目の講座について |
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まず最初に、講師である精神科医の奥田弘美先生によるコーチング概論の講義がありました。その後、コーチングの基礎となる3つの重要なスキル(聴く技法・質問する技法・伝える技法)について実習を交えながら学びました。
奥田先生は精神科医として診療する傍ら、作家としても活躍しています。奥田先生のプロフィールは、下記のブログをご覧ください。
http://medical-life.jugem.jp/
| | お客様のお話の聴き方 |
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最初に学んだスキルは、お客様の話を聴く方法です。エステティシャンにかぎらず、人は一方的に話をしてしまう傾向がありますが、コーチングではお客様が話されたことを受容的にオウム返しをしながら話を聴いていく力を身につけることから始めます。
この技法は「傾聴」と言われるものですが、専門家であるセラピストにとっても、実はかなり難しい技法です。
また、エステティックの効果を出すためには、お客様の生活習慣や食習慣についての情報を集める必要性があります。お客様の中にはえんえんと話される方がいらっしゃいますから、なかなか必要な情報を得ることが難しいこともあります。
お客様のお話をきちんと受け止めて、気持ちよくお話が聴けるようになるための第一の条件は、話を聴いてもらえないとどのような気持ちになるかが分かっていることです。
この講座の最初のステップは、話を聴いてもらえないとどのような気持ちになるかに気づくための「石になるワーク」という体験学習です。2人一組になって約3分間づつ交互に行います。まず、一人の人が、自分が聞いてほしい話題について自由に話します。
そして、もう一人の人は、まるで石のように何も反応せずに一言も返事をしないのです。
この実習の目的は、話を聴いてもらえない寂しさや辛さを実感することです。その気持ちが分かっていると、次の実習の効果が高まります。
次の実習は、お客様の話されることを頷きながらオウム返しする練習です。お客様の話の中で気持ちが表れているような言葉(キーメッセージ)だけをオウムのように伝え返します。それだけでも、お客様は話を聴いてもらえていると感じやすくなります。
2人一組になってこのような練習をしあうことで、自然に人の話を聴くことの大切さがわかり、少しずつ「聴く力」がついてきます。ご参加者の多くの方が、やってみてなかなかうまくいかないということに気づかれたようです。また、いつのまにか、自分が聞き手であることを忘れて、自分が話をしていることに気づいた方もいらっしゃいます。
この講座は、理論だけでなく体験を通して学ぶものなのだと、私自身が実感した2日間でした。
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