欧米諸国ではエステティシャンという地位が確立されています。日本ではまだ認められていませんが、エステティックの費用が医療費として認められる国もあるほどです。私は2000年に、本場のヨーロッパの技術と知識を学びたくてイギリスのエステティックカレッジに留学し、CIDESCO取得のためのコースに入りました。
イギリスにはエステティシャンのための正式な国家資格があります。例えば、ITECやCIBTACのようなものです。イギリスでエステティシャンとして働くためには、これらの国家資格を有することが最低条件となります。
エステティックという言葉自体は日本でも広く使われていますが、一人歩きをしているように感じます。実際、日本には「エステティック」という業の範囲などを定義した法律は無く、当然公的に認められた資格も存在していません。そのため、エステティシャンの社会的認知や地位の向上のためにいくつかの業界団体による認定資格制度が設けられています。
しかし、残念ながら、どれも十分なレベルを保っているものではありません。きちんとした理論や技術を学び、エステティシャンのレベルを一定に保つためには公的な資格が欲しいところです。そして欧米諸国のように権威ある地位を持ち、個々の自覚を高めることこそが、今の日本のエステティック業に携わる全ての人に必要なことではないでしょうか。
「キレイになりたい。」「美しくなりたい。」「癒されたい。」と願う人々にとって、今やエステティックは欠かせない存在の一つとなっていることは否めません。
今後さらに、この分野が発展し、広く多くの人々の悩みを解消するためには、まずはエステティシャン自身がプライドと自信を持てる仕事をしていってほしいものです。そしていつの日か私が学んだイギリスのように、エステティシャンの確固たる地位を築いていけたらと願っています。
国際健康美学会 専務理事 村山 舞