近年、マスメディアでは健康に関する情報が溢れています。雑誌やテレビ番組も「健康」「美容」「ダイエット」に関するものを取り上げれば、売上部数や、視聴率が上がるといわれています。
現代医療の進歩はめざましいものがありますが、その反面、生活習慣やストレスに起因する慢性疾患が、死因の上位を占めるようになりました。それは現代医療に欠けている側面を映し出しているのではないでしょうか。
さまざまな疾病の原因とされる心理的、環境的要因まで踏み込んだ医療は、わが国においてもまだ十分にはなされていないのが現状です。病気になる前の未病の段階で、疾病の予防を医療に求めるには、現在の医療体系では難しい状況です。ここに現代医療の限界があるように感じられます。
エステティック業界においても、今までのような外側からのケアだけでは限界に来ているのではないかと感じます。現代医療に限界があるように、どのような高価な化粧品などを外から与えたとしても、根本原因を解消しなければ真に美しい身体を手に入れることはできません。
現代医療でも手が届かない分野である未病の段階に積極的にアプローチし、さまざまな疾病の予防に貢献していくことが、これからのエステティック業界の使命ではないでしょうか。
例えば、減量することだけが本当の肥満解消ではありません。私は、肥満の原因である、その人の生活習慣、特に食生活の見直しや、運動不足を解消するアドバイス、また、ストレス解消の癒し体験などの場を提供しながら理想体重に導き、肥満に悩む多くの方のサポートをしております。肥満を解消することにより、心身のバランスも整い、身体の不調も自然に解消されます。
このような、「健康」をベースにした「美」を研究実践することが、これからの美容業界の発展を大きく支えるものになると確信しております。
国際健康美学会 専務理事 村山 舞