2007年9月4日に東京都千代田区学士会館において、第4回学術大会を開催いたしました。当日は多数のエステティック経営者の方やエステティシャンの方々、さらにエステティック関係者の方が約200名程来場されました。
この大会には3名のイギリス人講師をお招きいたしましたが、そのうち女性2名は私のイギリス留学時代に大変お世話になった恩師の方々です。ベリル・バーナード校長はロンドンエステティックスクールの校長でもあり、実はイギリスにおけるメイクアップアーティストの第一人者でもあります。そして、リンダ・ヒル先生はヘルス・アンド・ビューティーマネジャーとして活躍する傍ら、エステティシャンの人材派遣会社も経営されています。実は、留学当時に私がエステティックのイギリス国家資格を取得するのに大変お世話になった先生でもあります。スキ・カリライ氏はダブ商品で知られているユニリーバとプロ用スキンケア商品を共同開発し、ダブスパを30店舗展開していらっしゃいます。
今回、私共の学術大会にこのイギリス人講師を3名お呼びしたのには大きな理由がありました。それは、エステティックに携わる関係者の方々に、より一層の自信とプライドを持っていただきたいという思いです。
イギリスではエステティシャンの国家資格制度があり、エステティシャンの社会的地位も確立されています。このことは第一回目のこのコーナーにも書きましたが、これほどまでに違いがあるのかと私自身改めて驚きながら講演を聞きました。
イギリスでは国家資格を取得している者ならば、ニードルを用いた永久脱毛や腸内洗浄、お客様の血液採取によるコレステロール値の検査なども、エステティックの領域として認められています。このような行為は日本のエステティックでは考えられないことですが、外国に目を向ければ、しっかりとした教育を受けたエステティシャンが医師と並ぶくらい、信頼されている国が実際に存在するということを伝えたかったのです。
欧米人に比べアジア人、特に日本人は手先が器用な上、非常に几帳面で丁寧な人種だと思います。イギリス留学時代にも感じたのですが、正しい知識と高度な技術が身に付けば、もっと世の中に必要とされる職業であり、必然的に社会的地位も向上していくのではないかと思っています。
また、学校法人資生堂学園資生堂美容技術専門学校校長の永嶋久子先生には、『エステティシャンはハートをもってお客様の対応に当たらなければならない。心で接客をすれば、相手も心を開きよい関係を築いていける。』というお話をしていただきました。また、精神科医の奥田先生からは『エステティシャン自身が自己管理(心身ともに)をすることが良質のサービスを提供する第一歩。』というお話を伺いました。
最近は新聞やマスコミがエステティックに関する記事を書き立てています。もちろんニュースになっている所は、医師法違反に触れるサービスの提供をしていたり、キャッチセールスにより無理な契約をさせていたりという「悪質」と取られても仕方のないエステもあるように思います。しかし、そうではなく真面目にお客様のことを考え、結果を出そうと必死になっているエステティックまで同じように見られてしまうことはとても悲しく、そして残念でなりません。
本来、エステティックの存在意義はそんなものではなく、お客様に喜ばれ、慕われ、エステティシャンはやりがいと達成感をもってする仕事のはずです。そして、個々の体のことやストレスなど気軽に相談でき、心身ともにリフレッシュできる場であるはずです。
これからのストレス社会において、心身ともに癒せる場所の提供として、これから更なる自信とプライドのもと、きちんと技術と理論を学び、お客様にサービスを提供していって欲しいと願っています。
また、この学術大会や教育研修会を通して、真摯に学ぼうとしているエステティシャンの方々の力になることができれば、何より嬉しく思います。
国際健康美学会 専務理事 村山 舞