先日韓国へ行ってまいりました。
仕事柄、諸外国へ視察を含め、訪れる機会も多いのですが、ソウルではその他の国とは違うパワーを感じました。それはバイタリティというか、商魂のようなものでした。
何より驚かされたことは、ホテルマンからファッションビルの店員、小さなレストランや屋台に至るまで、ほとんどの店員が日本語で、商品の説明が出来るということでした。
もちろん、流暢にまるで日本人のように話す人もいれば、カタコトで良く聞かないと理解できないような方もいましたが、これだけの割合の人々が日本語を学んでいるということに驚かされました。
さらに、日本円が使えたりする店もあります。中には、日本人観光客で成り立っているような店もあるんだから、商売のためには当然じゃない?と思われる方もいるかもしれません。実際、私自身もそう感じた部分もあります。
しかし、どちらにしても私たち日本人のニーズに応えてくれていることは事実です。
「顧客満足度を高める」「お客様至上主義」などとうたった本や雑誌は多く見かけます。それには、お客様のニーズに耳を傾け・・・というような話が必ず書かれています。
韓国のように『店員が日本語を話せる』ということは日本人にとっては何よりの顧客満足度アップに繋がっているのではないでしょうか。
日本人が喜んでくれるため、快適にショッピングしてもらうため、食べたいものを間違いなく注文してもらうため、こんな心意気で日本語を勉強し、実践しているように思います。同じサービス業に関わる者として、尊敬の気持ちを持たずにはいられませんでした。
サービス業とは、接客マナー、会社の扱う商品知識の習得だけに留まらず、会話を円滑に進めるための一般常識や世界事情の情報収集力、立ち居振舞い、身だしなみや迅速な状況判断、年齢に応じた言葉遣いの若干の変化など、求められることは多種多様でこの全てをオールマイティにこなせるサービスマンは世界にもそう多くは存在しないのではないでしょうか。
しかし、だからこそ奥が深く、やりつづける面白さと、達成感や未熟さを感じながら一生続けていく価値のある仕事だとも思います。
世界各国において求められるサービスには、多少のズレがあるかと思いますが、「いかにお客様を喜ばせ、満足していただくか」ということは万国共通の鉄則であると思います。
自分がお金を払う立場になって初めて見えてくるものがあります。
何が嬉しいのか、どうして欲しいのか、本当の意味でお客様の立場になり、理想を追求し続けていくことでサービス力は向上し、そこにお客様は集まってきていただけるものだと、今回の韓国訪問を通じ、改めて実感しました。
国際健康美学会 専務理事 村山 舞