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第 8 回  暴力脳

 「暴力脳」 この言葉だけを聞いたら、一体何のことかと思うでしょう。

 2006年9月13日、カナダ・モントリオールにある大学で、銃を持った男性がカフェテリアに乱入し、明白な理由なしに21人に向けて銃を発砲し、19人が負傷し犯人を含め2人が死亡しました。
 同日、ニューヨークの裁判所では、10歳の子供を持つガールフレンドに火を付けて殺害した男に判決が言い渡され、さらにこの日は実子と継子合わせて6人の子供に、無理やり食事を与え、その嘔吐物を食べさせるという残虐な行為を行なった女性を刑務所に送った日でもあるそうです。

 この日は、何も特別な日ではなく、こういった殺人や残虐行為、虐待などのニュースは世界中で日々起こっています。


 また、日本でも犯罪はほぼ毎日繰り広げられ、そういった行為に及ぶのは成人だけに留まらず、犯罪は若年齢化する一方です。
 「キレる子供達」といったような特集が組まれるほど、子供の感情は凶暴的になっている気さえしてしまいます。そして、凶暴化する子供達の中には、普段はいたっておとなしい、真面目な子が、何かの拍子やきっかけで手がつけられないほどの攻撃性を示すケースも多いといいます。

 ウザい、ムカつく、キレるなどといった言葉は、今や小学生の日常会話でも頻繁に使われています。常に何かにいらだち、怒りの感情を持っているとも考えられます。そうして些細なことで腹を立て、あとの結果を考えずに自分の感情だけで場当たり的な暴力を振るうという行動に出るのです。


 こういった行動の全部ではなくとも、少なくとも一部は「セロトニン」という物質が関係しているのではないかと言われています。セロトニンとは心の高ぶりを抑え、落ち着かせ、安らぐ気持ちを作り出し、多くの場合、脳内で抑制的に働いて恐怖心を和らげる物質であると考えられています。逆にいうと、セロトニン不足は恐怖心を取り除くことが出来ず、感情的に興奮し、心が高ぶってしまう原因の一つであるということです。

 冒頭に書いた「暴力脳」。これはセロトニン欠乏により、脳が感情をコントロールできず暴力的になってしまうイメージで書きました。セロトニンは、食生活の偏りや、慢性ストレスなどによっても低下させられてしまうそうなので、いってみれば現代病のようなものなのかもしれません。しかし、私たちの心と体のために不足の状態を続けることは決して良いとはいえません。

 最近イライラしているな、と感じたらセロトニンが多く含まれる食材を意識して取り入れ、ストレスフルなこのような世の中において、いかにして自分の感情をコントロールするかも健康管理の一環なのかもしれませんね。

 ≪セロトニンが多く含まれる食材≫
 バナナ・大豆製品・乳製品・赤身の魚 + ビタミンB群(吸収促進のため)

国際健康美学会 専務理事  村山 舞

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