新入生、新入社員を迎える時期、今年もエステティシャン、セラピストの方々を対象に接遇の基本を学ぶ研修会を開催しました。

 講師は、株式会社トリニティー・インターナショナル代表取締役の篠﨑桐子先生です。



 まず初めに、重要ワードの確認です。

《 「接遇」とは? 》
“遇する”という言葉は 「もてなす」という意味。つまり「接遇」はお客様や相手をもてなす、思いやる気持ちを持って応対することです。
通常、「接遇」も「接客」も同じ意味のように使われることがありますが、“客と接する”とは、実は大きく意味が違います。

《 「マナー」とは? 》
相手に不快感を与えないための最低限のルールです。プラス目の前にいる人への心遣いです。思いやりや相手を敬う気持ちとも言えるでしょう。

《 「ホスピタリティー」とは? 》
思いやり、心からのおもてなしという意味です。
形や行動などで示す“マナー”に“心”が加わると、ホスピタリティーになります。深い心地良さが加わることで、信頼や信用、安心感が生まれます。

 この3つ。なぜこれらが、エステティシャンやセラピストにとって大切なのでしょうか?

 相手の状態や意向を観て寄り添うこと。効率的に物事を進めること。様々な状況に対応できる臨機応変さ。より多くの人に好かれること。最良を見出す力を身につけること。相手に対する敬意を示すこと…等など。
 それは、「社会で活躍するのに一番大切なのが人間力」で、これらがそのベースとなるからですと先生はおっしゃいました。

 次に、接遇者の基本5原則についてお話がありました。

 「挨拶」、「表情」、「態度」、「みだしなみ」、「言葉づかい」

 私たちはお客様に寄り添い、大切に思う心は言葉と行動で一生懸命伝えなくてはなりません。この5つを意識して、いつでもお客様お一人おひとりの期待に応え、期待以上のことまで応えようと考えを巡らせて努力を続けることが大切です。

 その後、5原則について、先生から実技を交えて説明がありました。
 立ち方、座り方、かがみ方など、基本姿勢は正しい型を身につけることが大切ですが、その中で特に印象に残ったのは、「心を伝える手の3原則」です。



1. 5指を揃えて指先まで意識する。
方向やものや人を指し示す時、ものを受け取る手を差し出す時、物を持った時の指先がぴんと揃っているととても美しく優雅に見えます。

2. 両手遣いを意識する。
商品を渡す、ペンを渡す、椅子を引く、お客様の手荷物を預かる、お金の授受といったシーンを想像してみてください。片手を添えるだけでとても丁寧に見えます。

3. 高さを意識する。
お客様の手荷物を持つとき、商品を持つとき、お客様がお使いになる物を持つ時など、大切な物は乳通り以上の高さで持つのがよいとのことです。
日本では昔から物の持ち方に目通り、肩通り、乳通り、帯通りなど、何を持つか、どなたに持っていくものかによってその高さに決まりごとがありました。特に、口に入れるもの(お茶やお菓子、料理など)を運ぶときは息がかからないように気遣うことからと伺いました。

 相手に敬意を表し、丁寧に扱っていることは、手の位置や高さでも表現できるものなのだと改めて勉強になりました。

2014.4.1