4月2日に、医学博士、管理栄養士であり、日本医療栄養センター 所長としてご活躍の井上正子先生に講師をお願いし、「美容と健康に役立てる栄養の基礎知識」というテーマで研修会を開催しました。
 井上先生は、1973年に日本医療栄養センターを設立されて以来、永年に亘り、地域住民や企業、団体などに対し、健康づくりのための医学・栄養教育を実践していらっしゃる方です。

 美容と健康のためにバランスの良い食事は不可欠ですが、いったいどんな食事をバランスが取れているというのでしょうか?
 健康な人を対象に1日に摂りたい栄養素の量を示した食事摂取基準や、食事バランスガイドのイラストを使いながら、メニューを具体的に示して詳しく説明していただきました。

 野菜も加熱方法によって栄養成分に違いがあり、特にビタミンCは調理法によってその損失率がかなり違うそうです。揚げる、炒める、蒸す調理法では20%ですが、煮ると半分の50%が損失してしまうことを知り、工夫することが必要だと教えていただきました。
 塩分を減らすために、例えば、しょうゆは小皿にとって使う。ソースやケチャップ、マヨネーズはヨーグルトやワインでのばして使うとよいと伺いました。
 また、最近特に消費者が敏感になっている有害物質を、家庭内で除去する方法も具体的に教えてくださいました。私たちの身の周りには、紫外線や農薬、化学物質、放射線、薬剤、食品添加物等々、多くの有害物質があり、細胞を酸化させ、組織や器官に悪影響を及ぼし、免疫力を低下させます。
 なるべく無農薬や低農薬のものを購入したり、体内に有害物質をためないために同じメニューを続けてとらないこともリスク回避につながるそうです。
 例えば、トマトはヘタの周辺をしっかり洗い、湯むきして食べると安心。
 キャベツなら、濃い色の葉は1~2枚多く捨て、加熱処理するときもサッと軽く湯通しする。
 きゅうりは表面を流水でこすり洗いし、全体に塩をまぶしてまな板の上でゴリゴリ転がして塩を洗い流し、茎に近い部分は1cm切り落とすなどです。
 たいていの野菜類はまず流水で洗いますが、水に長くさらしすぎると栄養分まで溶けだしてしまうのでほどほどが重要です。「ゆでる」「揚げる」「炒める」など高温での調理や油を使うことでも残留農薬が分解され、流出するとのことでした。
 こんなふうに、日常の生活の中で意識して、調理をすることが大切なのだと改めて学びました。

 毎日の食事によって、私達の身体はつくられます。
 健康で美しくあるために、少しの手間をかけることをいとわずにいたいと思いました。

2012.4.2