2017年9月1日(金)に、学士會館(東京・千代田区)にて、『健康美で輝くライフステージ』をテーマに、第14回学術教育研修会を開催しました。

 今回は「健康で美しく生きる~心と体のあり方~」と言うテーマを掲げ、健康・美容・教育に従事される4名の諸先生方にご講演いただきました。

 同日は、約185名の美容関係者が聴講し、専門知識や顧客サービスの向上、健康で美しく生きるために必要な心と体のあり方について、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

 村山静江理事長からは、「国際健康美学会では、今後も様々な課題に積極的に取り組み、本大会が健康で美しく生きるための一助となります事を期待しております」と述べられ、3時間にわたる学術教育研修会が閉会しました。第14回大会の報告を掲載しますのでご覧ください。



講演 『 自分らしく 美しく ~健康美を支える栄養と運動~

内田 直美
  健康自立支援「げんきはうす」代表
  管理栄養士・健康運動指導士



 栄養士として病院勤務時、疾病予防の必要性を切に感じ27歳で独立。乳児~老人までの各ライフステージに沿った健康相談や健康作り教室など、住民の健康維持・増進を栄養、運動両面より支援し、2015年4月に健康自立支援「げんきはうす」を設立されました。


1.健康の定義とは
肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた状態にあること。
 
3.自分らしくを目指す! ~美しさは人の数だけある~
自分を輝かす美しさを引き出すために・・・
 ・ 「自分を知る」  → 現在の状態を認識すること
 ・ 「体内状況」   → 健康診断検査値による判断
 ・ 「身体状況」   → 痛み、違和感の有無
 ・ 「外見状況」   → 容姿 (体重・姿勢・肌、髪の状態など)
 ・ 「なりたい自分」 → 未来の自分を描いてみる
 
2.自分らしく健康で美しい身体を支えるために
・ 栄養:自分に合った食事を理解し、美味しく食べて満足する事
・ 運動:均整のとれた身体、代謝良好、気分爽快
・ 継続は力なり (一緒に頑張る仲間の存在)

 自分らしさとは、自分を輝かす美しさを引き出すことが大事であるというお話しにとても感銘を受け、内田先生自ら「げんきはうす」のケースを紹介しながら、また、効果的な運動を聴講者全員で実践しながら楽しい講義となりました。


講演 『 健康な高齢期のために ~今どきの若者から今どきのお年寄りへ~

遠藤 恵子
  株式会社チームウェル 代表取締役副社長
  主任介護支援専門員



 訪問介護事業所にて訪問介護員からコーディネーター及びサービス提供責任者へ転属。
 その後、介護支援専門員及び管理者を従事。
 管理者としてOJT及びOFF-JTのそれぞれの特性と連携を生かした研修を立案していらっしゃいます。


1.健康的な高齢期を迎えるための準備
高齢期に介護を要する状態になる原因は
 ・ 脳血管疾患
 ・ 認知症
 ・ ロコモティブシンドローム
 ・ 心疾患
これらの疾患を予防する事が、健康な高齢期を迎える第一歩である。
 
2.高齢者の平均寿命
25年間で男性は4.83歳(平成27年 80.98歳)、女性は5.09歳(平成27年87.14歳)の伸び
 
3.今どきのシニアは千差万別、着目すべきは年齢よりも「変化」である
89歳女性の今どきの生き方をスライドでご紹介いただき、訪問介護員のご経験から、健康的な高齢期を迎えるための準備の必要性、今をどう生きるか、これからをどう生きるかについて、現在の日本が直面している重要なテーマについて学ぶ事ができました。
 



講演 『 中年男性の社会人口学的特性が美容健康管理行動、
身体時魅力知覚、自己尊重感、対人関係性向に及ぼす影響 』

李 珠美
  仁川才能大学校 ビューティーケア科学科長
  韓国美容健康学会理事




 国際健康美学会が産学共同で提携している仁川才能大学校ビューティーケア科で学科長を務めていらっしゃる李珠美教授は、韓国で美容健康学会理事や韓国メークアップ美容協会の理事、韓国美容文化史研究協力理事など、多岐に渡ってご活躍されていらっしゃいます。


 李先生からは、中年男性のファッションや美容、健康などの分野において、時間的、経済的に投資をする傾向があること、同時に中年男性は身体的老化、精神的変化に直面する中で、健康的で活発な人生を、どうとらえ、どのように変化しているかを考察する、とても興味深い研究発表でした。



講演 『 健康で美しくあり続けるために ~セラピストとして出来る事~

村山 舞
  昭和大学医学部薬理学兼任講師
  医学博士
  株式会社村山 代表取締役




 日本では平均寿命の延長に伴い、健康寿命との開きが問題視されている中、健康で生き生きと人生を楽しむためにセラピストとして出来る役割について、分かりやすくご講演いただきました。


1.健康やせ専門イヴで来店のきっかけをアンケート調査
・ 健康診断でチェックが入った
・ 病気になり医者から痩せろと言われた
・ 家族に勧められた
・ 長期に渡るコンプレックス
・ 周りから太ったと言われ、傷ついた
・ 健康になりたい
・ イベントの前だから
・ 太っていることがストレス
・ 産後元の体に戻らない ……など
 
2.セラピストとして出来る事
・ ダイエットを孤独にさせない
・ 不安を解消できるよう目標を明確化する
・ ストレス解消になるよう聞き役に徹する
・ 自信を取り戻せるよう結果を出す
・ 太りやすい生活習慣を痩せやすい習慣へと変える
・ 個性を認める
・ ご家族も健康になれるようホームケアアドバイスをする
・ 親身になり誠実に耳を傾ける

 この他、8項目による顧客調査を円グラフで解説していただきました。

 生涯現役であるために、平均寿命が年々延びて行く中でのセルフメンテナンスや、心身ともにセラピストとしての関わり方がとても重要である事を実感いたしました。
 また、村山先生が是正されている、セラピストの接遇やカウンセリングに「コーチング」の導入が不可欠である事を再認識する事が出来ました。



2017.9.1