2013年9月2日(月)に、学士会館(東京・千代田区)にて、『健康管理と栄養・美容』をテーマに、第10回学術教育研修会を開催しました。
健康美を構成する「運動」「栄養」「心理」「美容」等、幅広い見地から各専門家が講演を行いました。 講演 『 運動と栄養 』
鈴木 志保子 氏
神奈川県立保健福祉大学栄養学科教授 医学博士 スポーツ栄養学の専門家である鈴木先生は、「運動と栄養」をテーマに講演されました。 1.どのような食品を食べるのか。(食事構成・食材) 2.どのように自分の適正量を食べるのか。 バランスの良い食事とは、この2つの大きな柱からなるそうです。 体脂肪による体重の増減は、1日で起こるものではなくエネルギー出納が影響していること。そして、身体を自己管理するためには、毎日のエネルギーや栄養素の積み重ねで起こることを理解することが大切だとお話しされました。 ここで注意したいのがエネルギーバランスのブレ。ブレを確認するのに効果があるのが、朝一番の排尿後の体重測定。さらに、歩数計で身体活動量や食事内容、食事開始時刻、終了時刻など記録を付けることはとても有効とのことでした。 健康な身体づくりのための正しい知識と継続するスキルで「自分のルール」を作ることが大切だと、ユーモアたっぷりに明るく、そしてわかりやすく講演してくださいました。 講演 『 美容とアンチエイジング ~サクセスフルエイジング~ 』
中村 延江 氏
桜美林大学大学院心理学研究科教授 臨床心理士 心理学の専門家である中村先生は、「美容とアンチエイジング」について講演されました。 エイジングはネガティブに捉えられがちだが、実は必ずしもそうではない。これまで生きてきた自分、獲得した自分らしさに自信をもって、あるがままの自分を受け止め、心豊かに、穏やかに生活することで外側の美しさも倍増する。 そうあるためには、上手なストレス対処法を考えること、無駄な緊張を解いてリラクセーションを身につけること、周囲とのコミュニケーションを図ることが重要とお話しされました。 年齢に抗うことだけでは美しさは生まれない。今の自分に見合った美こそが美しい。アンチエイジングではなく、もっとポジティブにサクセスフルエイジングをめざしましょうと締めくくられました。 研究発表 『 若者の美と健康に対する意識の日韓比較 』
下田 妙子 氏
東京医療保健大学医療栄養学科教授 歯学博士 下田先生は、日本と韓国の女子学生の健康美に対する意識調査の結果を発表されました。それによると、自尊心の項目で両国に大きく差があったそうです。 日本と比べて韓国では、自分に自信がある。また自分に価値があると考えている学生の割合が非常に高いという結果が興味深かったです。 研究発表 『 中年女性の食行動が肌のしわに及ぼす影響 』
郭 眞瓊 氏
仁川才能大学校美容芸術科教授 理学博士 皮膚管理が専門の郭先生は、中年女性の肌のしわに、生活習慣だけでなく食習慣や食行動が大きく関わっているとの研究発表をされました。 中でも、揚げ物や炒め物料理の摂取量が低い、またビタミンB6の摂取が高い場合は肌のしわ指数が低いという結果に関心を持ちました。 講演 『 健康美とは 』
村山 舞 氏
昭和大学医学部薬理学兼任講師 医学博士 株式会社村山代表取締役 村山先生は、今大会を総括する「健康美とは」というテーマで講演されました。無理なダイエットによって摂食障害やうつ傾向になったり、骨密度の低下を起こしやすく、出産時に低出生体重児になる確率が高いなど、社会問題にもなっている若年層の女性の過度な痩せ願望にも触れられました。 まずは歪んだ生活習慣を改善し、生体の恒常性を安定させることが健康美の土台となるとし、そのひと特有の個性美である「真美」、容姿・スタイル・細胞・血液などからくる「身美」、心の美しさ・在り方からくる「心美」。この3種の美があってこその「健康美」であると締めくくられました。
2013.9.2
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